1982 年 30 巻 1 号 p. 1-6
急性単純性膀胱炎尿から分離したE.coliと健康成人女子から採取した膀胱粘膜の上皮細胞を用いた付着実験において, 抗生物質が, 如何なる影響を及ぼすかについて検討した。抗生物質は, ABPC, CEXおよびGMを用いたが, いずれの抗生物質も明らかにE. coliの上皮細胞への付着能を低下させることを認めた。このような作用は, 各抗生物質のE. coliに対する1/2MIC濃度でも明らかに認められ, また, 付着阻止作用は, 抗生物質の濃度に比例して増強した。