抄録
1. 昭和55年6月から, 同年10月までに久留米大学病院泌尿器科の外来と入院患者で尿路感染症を有する25例につきBRL25000を投与し, その臨床効果と副作用の有無につき検討した。
2. 急性単純性膀胱炎には, 1日1, 125mgを3回に分服し5～7日間, 複雑性尿路感染症には, 1日1, 500mgを4回に分服し7日間経口投与した。
3. UTI薬効評価基準 (第2版) による臨床効果は, 急性単純性膀胱炎11例中, 著効7例, 有効4例で有効率は100%であった。複雑性尿路感染症14例については, 著効3例, 有効2例, 無効7例, 判定不能2例で有効率は41.7%であった。
4. 細菌学的効果では, 26株中消失21株で, 消失率は80.8%であった。
5. 副作用は, 胸やけ, 悪心を2例に認めた。本剤投与前後の臨床検査値の比較を行なったが異常は認められなかった。
