抄録
健康成人男子志願者14名に, 新セファロスポリン系注射用抗生物質Ceftazidime (CAZ, SN401) を, 筋注 (0.5g), 1時間点滴静注 (1gおよび2g, クロスオーパー法), 2時間点滴静注 (2g), 静注 (0.5gおよび1g, クロスオーパー法) および連続静注 (1g, 12時間間隔, 9回) で投与し, Ceftazidimeの忍容性および吸収・排泄を検討した。
1. 自他覚症状, 理学的検査, 一般血液検査, 血清生化学検査, 尿検査等の忍容性に関する検討において, Ceftazidimeに起因すると考えられる異常所見は認められなかった。
2. Ceftazidimeは, 筋注, 点滴静注ならびに静注のいずれの投与法でも, 投与量に比例して高い血漿中濃度を示した。その血漿中半減期は1.6~2.1時間と比較的長く, 投与8時間後でも血漿中に0.9~5.7μg/mlのCeftazidimeが検出された。
3. Ceftazidimeは, いずれの投与法, 投与量でも体内で不活化されることなく, 投与後12時間までに投与量の約90%が尿中に排泄された。
4. Ceftazidime 1gを, 12時間ごとに9回連続静注投与した場合の, 血漿中濃度ならびに尿中回収量の推移に変化はなく蓄積傾向は認められなかった。
以上の成績から, Ceftazidimeは安全性において特に問題はなく, 薬物動態も良好な薬剤であり, 各種細菌に対する抗菌力を考慮した場合, 各種感染症に対して優れた効果が期待できるものと考えられた。