CHEMOTHERAPY
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Ceftazidime (SN401) に関する基礎的ならびに臨床的研究
岡本 緩子前原 敬悟米津 精文間瀬 勘史牧野 純子安永 幸二郎上田 良弘大久保 滉
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1983 年 31 巻 Supplement3 号 p. 373-384

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抄録
英国のGlaxo社で新しく開発されたCeftazidime (CAZ, SN401) は7位の側鎖にaminothiazolyl carboxypropyl oxyimxno基. 3位の側鎖にpyridineを導入した新しいcephalospolin系の抗生剤で, その抗菌力の広さ, 血中濃度の持続などにより有望な抗生物質とされている。これにつき基礎的, 臨床的検討を行なった。
抗菌力では, Staphylococcus aureusにはCXM, CMZあるいはCEZより劣る。ただし, グラム陰性桿菌のEscherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteusなどに対しては, CMZ, CXM, CEZよりも優れたMICを示すだけでなくPseudomonas aeruganosaではCTXより優れ, CFSと同等ぐらいの抗菌力をもち, さらにSerratia marcescensにも良いMICを示した。
臨床症例に1日2~49のCAZを点滴静注し, 肺癌あるいは気管支喘息に併発した感染には無効, 菌交代した胆嚢炎にはやや有効, 他の腸チフス, 肺炎, 腎周囲炎には著効であった。副作用として1例に薬熱を認めた。
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© 社団法人日本化学療法学会
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