CHEMOTHERAPY
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Ceftazidimeに関する基礎的ならびに臨床的研究
三木 文雄高松 健次河野 雅和別府 敬三
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1983 年 31 巻 Supplement3 号 p. 385-390

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抄録
英国グラクン社で開発された新セフェム系抗生剤Ceftazidime (CAZ, SN401) について, 臨床分離菌の感受性を測定するとともに, 10例の感染症症例に投与し, 有効性と安全性を検討した結果, 以下の成績を得た。
1) 臨床分離菌のCAZに対する感受性分布のピークは, 接種菌量106CFU/mlの場合, S. aureusでは12.5μg/ml, E. coliでは0.2μg/ml, K. pneumoniaeでは0.2μg/ml, P. mirabilisでは0.025μg/ml以下, P. vulgarisでは0.025μg/ml以下, P. aeruginosaでは1.56μg/mlにそれぞれ認められた。Proteus sp. およびP. aeruginosaに対するCAZの抗菌力は接種菌量の影響が認められ, 108CFU/mlの接種菌量では抗菌力の低下が認められた。
2) 敗血症1例, 肺炎2例, 肺化膿症1例, 肺癌二次感染3例, 感染を伴った慢性閉塞性肺疾患1例, びまん性汎細気管支炎1例, 肺結核1例, 計10例にCAZを1日2~4g投与し, 肺結核を除いた9例中著効2例, 有効4例, やや有効2例, 判定不能1例の臨床効果を認めた。副作用は全例において認あられなかった。
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© 社団法人日本化学療法学会
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