抄録
注射用セフェム系薬剤として英国Glaxo社で新しく開発されたCeftazidime (CAZ, SN401) の外科領域における感染症に対する効果について基礎的・臨床的検討を行なった。
成人にCAZ 1gをone shot静注した場合投与後30分の血清中濃度は58.3μg/mlで biologicalhalf lifeは1.62時間, また投与後6時間までの尿中回収率は69.5%であった。胃癌術後腹腔内浸出液中濃度は術後3日間とも約10μg/mlであった。
臨床的には, 術後肺炎, 敗血症, 腹膜炎を含む外科的感染症13例中9例 (69.2%) に有効であった。菌種別にはP. aeruginosaに対して7例中6例 (85.7%) と高い有効率を示した。術後感染予防を目的として本剤を使用した9例においては術後感染症の発症はなかった。本剤投与に関連した副作用は認められなかった。