CHEMOTHERAPY
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産婦人科領域におけるCeftazidime (SN401) の基礎的・臨床的研究
張 南薫鈴木 秀宜満川 元一田村 俊郎山口 芳史丸山 正義青木 一石福永 完吾国井 勝昭
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1983 年 31 巻 Supplement3 号 p. 772-782

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抄録
新しいcephalosporin系抗生物質ceftazidime (CAZ, SN401) について産婦人科領域で検討を行ない以下の結果を得た。
臨床分離菌に対する抗菌力は, グラム陰性桿菌に対して優れており, E. coli, K. pneumoniae Serratia, E. cloacaeのMIC80は0.2~1.56μg/mlに分布し, P. aeruginosaのMIC80は 6.25μg/mlであり, グラム陽性菌に対しては弱かった。
CAZ 1g静注後の血清中濃度および子宮, 卵管, 卵巣などの骨盤内性器組織内濃度を測定した。吸収は良好で, 20分後に最高73.2μg/mlの血清中濃度が得られ, 半減期は1.21時間であった。骨盤内性器組織内にも31~46.7μg/gの移行濃度が得られ, その消長は血清中濃度と同様な推移を示した。
CAZ1g静注後の臍帯血, 羊水中移行を測定した。移行は良好で母体血清中濃度に比例し, 主な感染起炎菌のMIC値を上回る濃度が得られた。
産婦人科的感染症に対し, 1回1g, 1日1~4回投与で, 5例全例に有効であり, 副作用は少なかった。
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© 社団法人日本化学療法学会
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