CHEMOTHERAPY
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全身オートバクテリオグラフィーによる実験的腹腔感染マウスにおける感染菌の消長およびTA-058のin vivo抗菌作用の観察
谷 佳都遠藤 幸夫山口 東太郎藤居 美智子高橋 忠男
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1984 年 32 巻 Supplement2 号 p. 158-165

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抄録

E. coli KC-14RFPrを腹腔内に接種したマウスの全身オートパクテリオグラムにおいて, 感染菌は接種後腹腔内で急激に増加し, 血液中でもそれに伴って増加し, 14時間以降にはマウス全身に分布した。一方, P. aeruginosa No.12腹腔内に接種したマウスの場合は, 腹腔内における感染菌の増加に長いlag timeがあって, 8時間後から徐々に増加したものの, 死亡直前のマウスでも感染菌は全身に分布することなく, 血液中の生菌数は104cells/ml以下にとどまった。
E. coli 1346 RFPr, E. coli KC-14RFPrおよびP. aeruginosa No.12をそれぞれ感染させたマウスにTA-058および各種の薬剤を菌接種1時間後に投与し, 20~24時間後に全身オートバクテリオグラムを作成しin vivo抗菌効果を比較した。その結果, 各薬剤の投与量に対応したマウス体内の菌分布密度が観察され, それぞれの薬剤のED50値をよく反映し, TA-058がin vivoですぐれた抗菌作用を示すことが裏づけられた。

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© 社団法人日本化学療法学会
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