CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
呼吸器感染症に対するTA-058の臨床的検討
丹野 恭夫井田 士朗小西 一樹坂本 正寛佐藤 清紀樋渡 奈奈子大野 勲西岡 きよ佐藤 裕子滝島 任
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 32 巻 Supplement2 号 p. 203-205

詳細
抄録

H. influenzoeによる呼吸器感染症6例に対し, Amoxicillin誘導体の新抗生物質TA-058を1日2~4g点滴静注し以下の成績を得た。
細菌学的効果は起炎菌消失4例 (67%) で, それらはいずれもβ-lactamase陰性であった。β-lactamase陽性例 (MIC: 25μg/ml) では菌数が> 188cfu/mlから105cfu/mlに減少した。他の1例 (β-lactamase陰性, MIC: 0, 1μg/ml) はP. aeruginosaに菌交代した。
臨床的効果は5例で有効, 1例でやや有効であった。
副作用は1例 (1日4g投与) で7日目にGOT, GPTの軽度上昇が認められたが, 投与中止後12日目に正常化した。
以上より, TA-058はH. infiuenaaeによる呼吸器感染症に有用であることが示唆された。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top