CHEMOTHERAPY
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尿路性器感染症に対するTA-058の臨床的岡検討
沢木 勝大川 光央元井 勇平野 章治久往 治男白井 千博
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1984 年 32 巻 Supplement2 号 p. 614-620

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抄録
新しく開発された半合成ベニシリン系抗生剤TA-058を尿路感染症および男子性器感染症の計27例に使用し, 臨床効果を中心に検討した。投薬方法は, 本剤1~2gを1日2回, 尿路感染症においてはene shot静注し, 男子性器感染症においては点滴静注を行った。尿路感染症は原則として5日間投薬終了後に臨床効果を判定し, 男子性器感染症においては3日および5日間投薬終了後の2回臨床効果を判定した。急性単純性腎盂腎炎3例の総合臨床効果は, 3例とも著効を示し, 有効果100%であった。複雑性尿路感染症13例の総合臨床効果は, 著効1例, 有効6例, 無効6例で, 有効率は54%であった。また臨床症状から判定した急性男子性器感染症は3日後判定で著効8例, 有効3例, 5日後判定で著効10例, 有効1例であり, いずれも有効率は100%であった。副作用として2例に軽度の下痢が認められた。また臨床検査値の検討では, 1例に一過性のアルカリフオスファターゼ軽度上昇が認められた。
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© 社団法人日本化学療法学会
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