CHEMOTHERAPY
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TA-058のin vivo抗菌作用
谷 佳都早坂 治男石井 信男春日 修山口 東太郎大島 慧
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1984 年 32 巻 Supplement2 号 p. 90-98

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抄録

注射用合成ペニシリンTA-058の広範囲なin vitro抗菌スペクトルがマウスを用いた実験的感染症に反映されるかどうかをABPC, AMPC, SBPC, CBPCおよびPIPCを対照として比較検討した。マウス実験的腹腔内感染におけるTA-058の治療効果はグラム陽性菌感染に対してはABPC, AMPCより劣ったが, 広域ペニシリンのCBPCに比べるとすぐれていた。グラム陰性菌に対しては広範囲の菌種に有効であり, 対照薬剤と同等もしくはややすぐれた効果を示した。また, TA-058はS. aureusおよびS. hemolyticusによるマウス実験的皮下感染に対してABPCよりすぐれた膿瘍形成抑制効果を示し, K. PneumoniaeB-54によるマウス実験的肺感染やP. mirabilisおよびE. coliによるマウス実験的上行性尿路感染においてもPIPCやCBPCより顕著にすぐれた治療効果を示した。

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© 社団法人日本化学療法学会
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