CHEMOTHERAPY
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TA-058の体液内濃度測定法
I. 微生物学的定量法
谷 佳都前澤 功佐久間 由光石井 信男吉田 弘嗣山口 東太郎市川 元一伊藤 道久江原 俊子井上 雅資石川 勉
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1984 年 32 巻 Supplement2 号 p. 99-111

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抄録

TA-058の体液内濃度はE. coli ATCC 27166, M. luteus ATCC9341およびB. subtilisATCC6633を検定菌とした薄層カップ法, 薄層ディスク法およびアガーウェル法で測定可能であり, 試料の濃度および量などの条件に応じて最適なものを選んで使うことが出来る。測定培地をpH6.0に調整すると, 鮮明で大きな阻止円が得られ, 測定感度は高い方からカップ法, アガーウェル法そしてディスク法の順であった。
TA-058をヒトまたは各種動物の血清および胆汁で溶解して測定すると阻止円径がM/15リン酸緩衝液 (pH7.0) を用いた場合より小さくなったが, 試料をリン酸緩衝液で5倍以上に希釈すればそれらの影響は消失するのでリン酸緩衝液で作成した検量線を標準として濃度を求めることが出来た。またこれらのTA-058試料は採取後すみやかに測定する事が望ましく, 冷蔵庫保存 (5℃) では1日目から活性が低下した。しかし, 冷凍庫保存 (-20℃) すれば少なくとも7日間は安定であった。ヒト尿中のTA-058は安定であり, バイオアッセイによる測定に影響しないので, リン酸緩衝液の検量線より濃度を求める事が出来た。

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© 社団法人日本化学療法学会
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