CHEMOTHERAPY
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SulbactamおよびSulbactam/Cefoperazoneの一般薬理作用
石河 醇一宗蓮 司朗大槻 勲夫
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 116-120

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抄録

SBTおよびSBT/CPZの一般薬理作用を検討し, 以下の成績を得た。
1. SBT 2,000mg/kgまたはSBT/CPZ 1,000/1,000mg/kgをマウスに静脈内投与しても自発運動, 協調運動, 懸垂能に影響はみられず, 抗痙攣作用, 鎮痛作用も認められなかった。また, ラット体温に対しても, 影響はみられなかった。
2. 麻酔イヌの呼吸循環系に対し, SBT 250mg/kgまたはSBT/CPZ 250/250mg/kgは影響をおよぼさなかった。SBT 500mg/kgまたはSBT/CPZ 500/500mg/kgの静脈内投与では呼吸数増加, 血圧上昇がみられた。しかし, いずれも軽度で一過性の変化であった。モルモット摘出心房の収縮力および拍動数に対し, SBT 10-5~10-3g/ml, SBT/CPZ 10-5/10-5~10-3/10-3g/mlは影響をおよぼさなかった。
3. マウスの瞳孔径およびラット胃液分泌に対し, SBT 2,000mg/kgまたはSBT/CPZ 1,000/1,000mg/kgの静脈内投与は影響なく, ネコ瞬膜に対する作用も認められなかった。
4. ウサギ摘出腸管の自動運動に対し, S BT/CPZ 10-3/10-3g/mlの高濃度で極めて軽度の自動運動の元進がみられたのみであった。ラット摘出子宮自動運動に対する影響およびモルモット摘出回腸での鎮痙作用はみられなかった。
5. 生理食塩液負荷ラットにおいて, SBT 1,000mg/kg, SBT/CPZ 1,000/1,000mg/kg (静注) は尿量および尿中電解質排泄に影響をおよぼさず, SBT 2,000mg/kgでは尿量および尿中Na+の軽度増加がみられた。

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