CHEMOTHERAPY
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SulbactamおよびSulbactam/Cefoperazoneのラット生殖試験
堀本 政夫酒井 健夫大槻 勲夫野口 晏弘
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 108-115

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抄録

Sprague-Dawley系ラットを用いSBT (500mg/kg, 250mg/kg, 50mg/kg) およびSBT/CPZ (500/500mg/kg) の生殖に及ぼす影響を検討した。
1). 雄ラットにSBTおよびSBT/CPZを62日間以上腹腔内投与, 雌ラットには14日間静脈内投与した後交配させ, 雄には交尾の成立まで, 雌には妊娠7日まで投与を継続した。SBTおよびSBT/CPZのいずれの投与群でも交尾率, 妊娠車黄体数着床数胎仔死亡率および生存仔の平堀本重などには薬物による影響は認められなかった。また, 胎仔の外表内臓および骨格にも薬物投与に関連した異常は認められなかった。
2). 妊娠ラットにSBTおよびSBT/CPZを妊娠7日から17日まで投与した結果妊娠末期母体での黄体数, 着床数などはいずれの投与群でも対照群と差はなく, 妊娠末期胎仔では薬物投与に起因する奇形は認められなかった。出生仔の生後発育についても薬物投与による影響は認められなかった。
3). 妊娠ラットにSBTおよびSBT/CPZを妊娠17日から分娩後21日まで投与した。SBT群500mg/kgおよびSBT/CPZ (500/500mg/kg) 群では出生仔の生後4日の生存率のみが軽度に低下したが, BT250mg/kg以下の群では母体および出生仔に対する影響は認められなかった。
以上の成績から, S BTには催奇形作用は認められず, 最大無作用量は妊娠前および妊娠初期投与試験, 胎仔の器官形成期投与試験では500mg/kg, 周産期および授乳期投与試験では250mg/kgとみられる。また, SBTにCPZを併用しても生殖・毒性は増強されることはなかった。

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