CHEMOTHERAPY
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Sulbactam/Cefoperazoneに関する研究
斎藤 玲加藤 康道石川 清文小田柿 栄之輔篠原 正英富沢 麿須美中山 一朗木下 与四夫佐藤 清
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 142-154

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抄録

Sulbactam (SBT)/Cefoperazone (CPZ) はβ-lactamase阻害剤のSBTとセフェム系剤のCPZとの1:1の配合剤である。本剤の抗菌力を, 臨床分離のEscherichia coli, Klebsiella sp., Proteus mirabilis, Proteus morganii, Serrtia marcescensなど139株に対してみた。いずれの菌種においても, CPZ単独よりMICはよく, とく, にSBTの量が多いほど, その効果は著明であった。健康成人男子6名にCPZ 2gおよびCPZ 2g+SBT 1gを静注し, 体内動態をcross overでみた。血中濃度はCPZで5分後平均で252μg/mlを示し, 1時間113.8, 6時間9.9であった。配合剤もほぼ同じであった。SBTは5分後128.7μg/ml, 1時間23.5, 6時間<1.8であった。血中半減時間はそれぞれ1.7時間および1.2時間であった。尿中排泄率は8時間まででCPZは約25%, SBTは85.2%であった。23例の感染症患者に, 本剤1回191日2回点滴静注し, その効果を検討した。投与期間は7~26日間であった。臨床効果は著効14例, 有効5例, やや有効1例, 無効3例で, 有効率は, 82.6%であった。副作用として, 静注時胸内不快感を訴えた1例のみで, 他に特記すべきものはなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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