CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
Sulbactam/Cefoperazoneの臨床第一相試験 (6回連続投与)
熊田 徹平
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 214-221

詳細
抄録

Sulbactam (SBT) とCefoperazone (CPZ) の各19ずつの合剤について, 臨床第一相試験の一環として, 1日2回, 3日間, 計6回の連続投与 (点滴静注) 試験を6名の健康成人男子の志願者に対して行なった。
臨床検査成績では, 2名で試験前の値に正常上限を超える異常値がみられたが, 自他覚的には異常がないため, 検査を続行した。これらの値は1名では試験中に正常化し, 1名では試験終了後もほぼ同じ成績であった。6名とも本剤の連続投与によると思われる臨床検査値の異常は認められなかった。
試験終了翌日に5名にジスルフィラム様症状が認められた。1名では10日後にも飲酒後の軽い異和感が認められた。それ以外は, 本剤の3日間6回の連続投与 (総量12g) による副作用はなく, また臨床検査値異常や蓄積性も認められなかった。
体内動態では, 点滴終了時に血中濃度のピークが認められ, 1回目から6回目までほぼ同じ値であった。点滴終了後7時間ではSBTは測定限界以下になり, CPZはおよそ4.5μg/mlであった。尿中回収率は8時間までにSBTでおよそ90~95%であり, CPZではおよそ25%であった。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top