1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 202-213
β-lactamase阻害剤であるSulbactamとCefoperazoneとの合剤 (SBT/CPZ) について, 抗菌力ならびに臨床効果を検討した。
臨床分離のEscherichia coli, indole positive Plroteus属, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Serratia marcescens, Citrobacter freundiiなどに対するSBT/CPZの抗菌力は, CPZ. 単独時のそれより増強さ才しとくにこの傾向は108 cells/ml接種時およびCPZ耐性株で顕著であった。
敗血症およひ呼吸器感染症各3例, 尿路感染症4例, 胆のう炎および腹膜炎各1例の計12例にSBT/CPZを1日2~4g, 4~18日間使用した。臨床効果を判定しえた11例中著効1例, 有効5例, やや有効4例, 無効1例の成績をえた。本剤によると思われる副作用およひ臨床検査値の異常変動は1例も経験されなかった。