1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 38-50
β-lactamase inhibitorとしての作用を各種細菌について, sulbactamとcefoperazoneとの併用により検討した。
Sulbactam単剤では, 従来の細菌に対し, 抗菌力は弱く, 単独では, 抗菌剤として使用することはできないが, β-lactamaseに阻害作用を有する。
Sulbactamとcefoperazoneをそれぞれ1:1に併用した場合, E. coli, K. pneumoniae, Proteus, B. fragilisに対し併用効果か認められた。
Sulbactamはβ-lactamaseのRLCHMOND type1に弱く, 2~5に強い阻害作用がみられた。
マウス実験感染では, Ecoli, P. vulgris, B. fragilisとE. coliの混合感染に対し, sulbactam, cefoperazone単剤が無効にもかかわらず, 併用により, 優れた治療効果がみられた。