CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
Fosfomycinの中耳腔内適用によるモルモット聴覚器毒性試験
暮部 勝横田 正幸坂本 匡一
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 36 巻 2 号 p. 87-96

詳細
抄録

1群4匹の雄性Hartley系モルモットの人工的に作製した右側鼓膜穿孔にfosfomycin (FOM) 0.5, 1, 2, 3および5%液の0.1ml/動物を5日間にわたり点耳した後, 観察期間10日目 (点耳終了後10日目) に蝸牛内, 外有毛細胞聴毛の形態変化について走査型電子顕微鏡下で観察した。
対照薬群としてfradiomycin (FRM) 5%, kanamycin (KM) 2%および5%, chloramphenicoi (CP) 0.5%などの点耳群を, 陰性対照群として局方生理食塩液およびFOM溶解液 (Solvent) などの点耳群を設定し, 比較した。
その結果, FOM各点耳群には蝸牛内, 外有毛細胞聴毛の形態変化は認められず, 対照群, Soivent点耳群でも同様に異常は認められなかった。FRM5%点耳群では1例, KM2%点耳群では1例に1~2回転の蝸牛外有毛細胞聴毛の消失または部分的消失, 内有毛細胞聴毛の消失または変形, KM5%点耳群では2例に1~2回転の蝸牛外有毛細胞聴毛の消失または部分的消失が認められた。しかし, CP0.5%点耳群では異常は認められなかった。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
次の記事
feedback
Top