1989 年 37 巻 Supplement1 号 p. 730-737
7位側鎖に, carboxycthylidene基を持つ経口用セファロスポリン剤である7432-Sは, 各種グラム陰性菌のpenicillinase及びRプラスミド由来のpenicillinaseに対して安定であった。しかし, Preteus vutgarisの酵素以外のcephalosporinase には, Vmaxは小さかったが, 親和性が高かった。また, Baeteroides fragilisのβ-ラクタマーゼには, 加水分解され易かった。
7432-Sは, Escherichia coli K12とP.vulgarie CN329株のペニシリン結合蛋白質 (PBP) 43に特に高い親和性を示し, その他のPBPに対しては, 親和性が低かった。また7432-Sは, Staphylococcus aureus ATCC 25923の致死標的と言われているPBP2と3に親和性が低く, このことが, この菌種に対して抗菌力が弱い原因であった。