CHEMOTHERAPY
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微生物学的定量法による7432-Sの体液内濃度測定法に関する検討
木村 靖雄中野 雅夫中本 省三吉田 正
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1989 年 37 巻 Supplement1 号 p. 738-747

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抄録

新規経口セフェム系抗生物質7432-Sの各種体液内濃度を測定するために微生物学的定量法について検討し標準法を設定した。
検定菌にEscheriehia coli 7437を, 検定培地にTrypto-soy寒天培地 (栄研) を使用する寒天拡散法にようて感度良く測定できた。
7432-S測定限界は, 薄層カップ法と帯培養法で0.04μg/ml, ペーパーディスク法と寒天孔平板法で0.3μg/mlであった。
血漿中濃度測定時の標準希釈系列は, 対照ヒト血漿またはコンセーラ等の代用血清を用いることができる。
尿試料は, 0.1Mリン酸緩衝液 (pH 7) で10倍以上に希釈し, 同緩衝液で調製した標準希釈系列を用いて測定する。
抗菌活性代謝物の検索は, TLC-バイオオートグラフィーにより行なった。この方法では微量代謝物の7432-S-transは分離出来ないので, HPLCによる検索法が推奨される。7432-S-transは原化合物の異性体で, 抗菌力は約1/8低いことと生成が微量であることから本方法による定量値に影響しなかった。

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