1990 年 38 巻 1 号 p. 52-67
急性単純性膀胱炎に対するaztreonam (AZT) 1g単回筋肉内投与の有効性, 安全性につき, ofloxacin (OFLX) 300mg3日間連統経口投与を対照として検討し, 以下の成績を得た。
1) UTI基準による3目目の総合臨床効果 (有効率) は。AZT群で41例中95, 1%, OFLX群で44例中93.2%と両群で同等の成績であった。
2) 細菌学的効果 (菌消失率) はAZT群で86.4%(38/44), OFLX群で91.1%(41/45) と差を認めなかった。
3) 主治医判定による再発率は, AZT群0%(0/16), OFLX群14.3%(2/14) であった。
4) 副作用および臨床検査値異常は両群とも全例で認めなかった。
以上の成績から, 急性単純性膀胱炎に対するAZT1g単回筋注療法は有用と考えられた。