CHEMOTHERAPY
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Imipenem耐性Pseudomonas aeruginosaの研究
1. Imipenem耐性と他の抗緑膿菌β-lactam剤耐性の関係について
渡邊 正人三橋 進
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1991 年 39 巻 11 号 p. 1014-1019

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抄録

臨床分離imipenem (IPM) 耐性Pseudomonas aeruginosa 70株のceftazidime (CAZ), cefsulodin (CFS), cefotaxime (CTX), lactamoxef (LMOX), piperacillin (PIPC), aztreonam (AZT) に対する感受性を検討した。20株 (29%) はβ-lactamase産生量は低く, 他の抗緑膿菌β-lactam剤 (CAZ, CFS, PIPC, AZT) に感受性であり, これらの株をA群とした。A群の株のβ-actamase誘導産生はIPMを除いて誘導がかかりにくかったことから, これらの菌株がIPM耐性にのみ耐性を示すのは薬剤透過性の低下によることが推論された。50株 (71%) は他の抗緑膿菌β-lactam剤に交叉耐性を示し, これらの株をB群とした。B群の株は誘導によってβ-lactamaseを高度産生するか, あるいはdereppressedの状態でβ-lactamaseを高度に産生した。B群の株のIPMおよび抗緑膿菌β-lactam剤に対する耐性には, IPMの薬剤透過性の低下とともにβ-lactamaseの高度産生の関与が推論された。

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© 社団法人日本化学療法学会
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