1991 年 39 巻 11 号 p. 1020-1028
小児科領域での感染症由来の臨床分離株に対するcefpiromeの抗菌力を検討し以下の結果を得た。
1.グラム陽性球菌ではStreptococciに対しては従来のセフェム系薬剤 (cephems) 同様あるいはそれを上回る抗菌力を持ち, methicillin感性Staphylococcus aureus, coagulase negativestaphylococciに対してもcephemsの中では第1世代と同等, またmethicillin耐性S.aureusに対しては第3世代と同等あるいはそれ以上の抗菌力を示した。Enterococcusに対してはpenicillin系薬剤にはおよぼないがcephemsの中では比較的良好な抗菌力を示した。
2.グラム陰性桿菌では従来の第3世代cephemsと同様あるいはそれ以上の抗菌力を示し, またPseudomonas aeruginosaに対してもceftazidime, aztreonam, imipenemにはおよばないもののpiperacillinとほぼ同様の成績であった。