抗腫瘍多糖体sizofiran (SPG) の生体防御能に与・える効果をKlebstella pneumonineによるマウス気道感染モデルを用いて検計した。Cyclophosphamide (CY) 前処置マウス, および非処置マウスの気道感染においてSPG投与群の生存率は上昇した。感染時, および感染3日後の末梢白血球数はSPG前投与群で有意に増加した。さらにCY前処理群においてもSPG前投与により末梢白血球数の増加が示された。非感染マウスの羊赤血球に対する脾抗体産生細胞数は. CY前処理により低下したが, SPG前投与によりその回復が認められた感染4日後の脾抗体産生細胞数についても, CY前処理および非処理, いずれにおいても, SPG前処理によりその回復および増加が認められた。一方, 2×104 cells/lung感染3日後の血清中Klebsiella Pneumoniae菌体凝集抗体価は, 感染対照群のみが高い値を示し, 他群は同程度の低値であった。以上, 総じてKlebsiella pneumoniae気道感染実験におけるSPGの生体防御能賦活作用は, 白血球数の増加と抗体産生能の増強により, 生存率上昇効果が発揮されたものと考えられた。ただし, 血清中凝集抗体価については, 防御能だけによるのではなく, 感染の進展の度合いにも影響されたと考えられた。