1991 年 39 巻 2 号 p. 150-157
閉塞性黄疸を主訴として入院した9例 (男5例, 女4例, 平均年齢69.4歳) こPTCDを施存し, その直後および2週後に生食水100mlに溶解したlatamoxef (LMOX) 2gを30分間で投与して血中および胆汁中濃度を測定し, PTCDによる減黄効果と胆汁中移行の関係を検討した。なお, 濃度測定はシオノギ研究所において行った, PTCD直後におけるLMOXの胆~1重移行は不良で, そのピークは4時間後にみられ, ピーク値はも平均16.18μg/mlであった. PTCD2週後ではピークは2時間に現れ, ピーク値は平均49.89μg/mlとなり, 胆汁中移行は改善された。移行率, 移行速度, AUCも2週後には良好となったが, 特に移行率の改善は著しく約10倍の改善がみられた。またPTCD直後の総ピリルピン (TB) 量と胆汁中濃度のピーク値 (Cmax), TB量と胆1十中濃度のAUCにおいて有意の相関が認められた。