抄録
Sparfloxacinの腎機能障害者における体内動態と慢性複雑性尿路感染症に対する臨床的検討を行い以下の結果を得た。
1) Sparfloxacin 200mg食後投与において, 高度腎機能障害者では6時間後に0.75±09143μg/mlの最高血中儂度に達し, T1/2は21.9±2.39時間, AUCo嘱は21.5±3.61μg・h/ml, 尿中回収率は6, 9±2.05%, 中等度腎機能障害者では5, 3±0.7時間後に0.93±0.139μg/mlの最高血中濃度に連し, T1/2は15.9±0.88時間, AUC0は23.6±4.88μg・h/ml, 尿中回収率は7.7±1.25%, 軽度腎機能障害者では4時間後に0.899μg/mlの最高血中濃度に達し, T1/2は11.6時間, AUC0→∞は18.9μg・h/ml, 尿中回収率は6.92%であった。
2) 21例の慢性複雑性尿路感染症において, 主治医判定では有効5例 (2398%), やや有効1例 (4.8%), 無効15例 (71.4%) であった。UTI薬効評価基準による判定では20例において判定が可能で, 有効4例 (20%), 無効16例 (80%) で総合有効率は20%であった。副作用は2例に軽度の食思不振が認められ, 臨床検査値上, 軽度の血清クレアチニンの上昇と単球増多がそれぞれ1例に認められた。