CHEMOTHERAPY
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Imipenem耐性緑膿菌の薬剤感受性およびceftazidimeとtobramycinの併用効果
高橋 公毅渡辺 正治菅野 治重福田 一郎田村 忍
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1994 年 42 巻 8 号 p. 915-922

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抄録

千葉大学医学部附属病院検査部で臨床材料から分離されたimipenem (IPM) 耐性緑膿菌28株を用い, 10薬剤に対する感受性を調べた。耐性の判定は原則としてNCCLSの基準に従った。Ceftazidime (CAZ), piperacillin (PIPC), cefoperazone (CPZ), cefsulodin (CFS) の浄ラクタム剤の中では, CAZの耐性率が28.6%でもっとも低く, tobramycin (TOB), amikacin (AMK), isepamicin (ISP) のアミノグリコシド系の中では, TOBの耐性率が39.3%でもっとも低かった。Fosfomycin (FOM) の耐性率は100%であった。IPM耐性緑膿菌No.23株 (TOBMIC:>32μg/ml, CAZMIC: 32μg/ml) の集塊菌に対するCAZとTOBの併用による殺菌効果を調べた。このTOB高度耐性菌を用いた実験では, CAZとTOBの同時作用で殺菌効果が一番優れていた。時間差併用では, CAZ先行投与後, TOBを投与の方が, TOB先行投与後, CAZ投与よりも優れた殺菌効果が認められた。供試したIPM耐性緑膿菌4株からはIPMを分解するβ-lactamaseは認められなかった。

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