日本化学療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-5886
Print ISSN : 1340-7007
ISSN-L : 1340-7007
産婦人科領域におけるpazufloxacinの臨床的検討
八神 喜昭花田 征治生田 克夫万歳 稔石田 昭太郎浅井 英和
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 669-672

詳細
抄録

産婦人科領域感染症に対するニューキノロン薬pazunoxacin (PZFX) の臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
1) 産婦人科領域感染症患者13例に本剤を1回100~200mg, 1日1~3回, 7~9日間投与した。初診以来来院せずの1例およびクラミジア非検出子宮頸管炎1例を除く11例を解析対象例とした。
2) 臨床効果は, 11例 (子宮内膜炎4例, 産褥子宮内感染1例, 子宮留膿症1例, 卵管炎2例, バルトリン腺膿瘍2例, 子宮頸管炎1例) に対し著効1例, 有効10例であった。
3) 細菌学的効果は7例より10菌種14株が検出され, 13株が消失, 1株が存続し菌消失率は92.9%であった。
4) 副作用は1例に軽度の悪心・めまい・下痢が認められた。臨床検査値異常として1例にLDHの上昇が認められた。
以上の結果より, 産婦人科領域における各種感染症に対する本剤の有用性が示唆された。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top