日本化学療法学会雑誌
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耳鼻咽喉科領域感染症に対するpazufloxacinの臨床的検討
阪上 雅史土井 勝美松永 亨久保 武荻野 仁島田 久美芦田 健太郎村田 潤子佐々木 良二深沢 啓二郎杉井 亜也子
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1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 691-695

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抄録

耳鼻咽喉科領域感染症患者にpazufloxacin (PZFX) を使用し, 有効性および安全性について検討を行った。対象は急性中耳炎4例, 慢性中耳炎急性増悪7例, 急性副鼻腔炎3例, 慢性副鼻腔炎急性増悪2例, 急性扁桃炎2例, 急性外耳炎1例の計19例であった。
投与方法は本剤1回100mgまたは200mgを1日3回, 3~15日間食後経口投与した。臨床効果は, 著効5例, 有効8例, やや有効3例, 判定不能3例で有効率は81.3%であった。細菌学的には14例より10菌種20株が分離され, 消失12株不変8株で, 消失率は60.0%であった。
本剤投与による副作用および臨床検査値異常変動は認めなかった。
以上の結果よりPZFXは耳鼻咽喉科領域の各種感染症に対し有効かつ安全性の高い薬剤であると考えられた。

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