日本化学療法学会雑誌
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新しい経口ペネム剤, ritipenem acoxilの前立腺液移行と尿路感染症に対する臨床的検討
鈴木 恵三堀場 優樹石川 清仁加藤 忍名出 頼男柳岡 正範田中 利幸
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1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 236-241

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抄録

新しいペネム系経口抗生物質, ritipenem acoxil (RIPM-AC) について以下の知見を得た。
1.ヒト前立腺液への移行性
本剤400mg投与後1時間の前立線液内のritipenem (活性本体) 濃度は被験した4検体いずれも0.08μg/ml以下 (検出限界) であった。
2.尿路感染症の臨床成績
複雑性尿路感染症のうちUTI基準に合致した17例での効果判定では, 著効11例, 有効4例, 無効2例で総合有効率は88.2%であった。細菌学的効果は除菌率が26株中23株, 88.5%であった。副作用としては胃部不快感が1例で認められた。臨床検査値の異常変動は全例で認められなかった。

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