日本化学療法学会雑誌
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尿路感染症に対するritipenem acoxilの臨床的検討
松本 哲朗他
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1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 530-537

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抄録

Ritipenem acoxil (RIPM-AC) は新しいペネム系の経口合成抗生物質であり, 今回単純性尿路感染症9例, 複雑性尿路感染症43例に対して本剤を投与し, その臨床効果および安全性を検討した。その結果, 単純性尿路感染症9例中, UTI薬効評価基準に合致した症例は5例で全例著効であった。また, 複雑性尿路感染症43例中, UTI薬効評価基準に合致した症例は33例で, 著効13例, 有効12例, 無効8例であった。細菌学的効果は単純性尿路感染症5例で5株全ての菌が消失し, 複雑性尿路感染症33例では38株中30株 (78.9%) の菌が消失した。自他覚的副作用は, 52例中軽度の下痢が4例に, 軽度の全身掻痒感および胃部不快感が各々1例に認められた。臨床検査値の異常変動については, 49例中尿蛋白陽性化が2例に, GOT・GPT・総コレステロールの上昇, GPTの上昇, GOTの上昇が各々1例に認められたが全例軽度の上昇であった。

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