抄録
新規ニユーキノロン系合成抗菌薬balofloxacinの口腔レンサ球菌4菌種 (各20株) に対する抗菌力は, MIC90が0.39~0.78μg/mlで, 対照薬のtosufloxacinとほぼ同等で, onoxacin, cipronoxacinよりも2~4倍強かった。
健常成人男子7名に本剤200mgを空腹時投与すると, 最高血中濃度は1.7時間後に1.35±0.12μg/mlまで上昇した。食後の服用ではTmaxが若干延長したが, CmaxやAUCにはほとんど差がみられなかった。唾液中濃度は血清中濃度とほぼ類似した推移を示し, 対血清中濃度比は50~90%であった。
また, 抜歯予定者に本剤100mg (29名) または200mg (44名) 投与後, 抜歯直後の抜歯創貯溜血液を測定したところ, 100mg投与群では, 1.75~4, 5時間後で0~1.66μg/ml, 200mg投与群では0.5~4.25時間後で0.01~2.4μg/mlに分布し, ほぼ血中濃度に相当する濃度が測定された。