日本化学療法学会雑誌
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NM441の抗菌力および臨床的検討
齋藤 玲富澤 磨須美中山 一朗佐藤 清
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1996 年 44 巻 Supplement1 号 p. 238-242

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抄録

NM441は新しいプロドラッグ型のピリドンカルボン酸系抗菌剤である。
臨床分離保存株7菌種216株について, 抗菌活性体NM394のMICを測定した。MIC90は, methicillin-susceptibleStaphylococcus aureus (MSSA) 12.5μg/ml, methicillin-resistantS. aureus (MRSA) >100μg/ml, Eschenichta coli0.10μg/ml, Klebsiella pneumoniae0.10μg/ml, Serratia marcescens12.5μg/ml, Morganella morganii0.10μg/ml, Pseudomon asaennginosa3.13μg/mlであった。ほとんどの菌種で同系統の抗菌剤であるnorfloxacin (NFLX), ofloxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX), lomefloxacin (LFLX), tosufloxacin (TFLX) とほぼ同等の抗菌力を示した。
17例の内科領域感染症の患者 (慢性気管支炎9例, 感染を伴った肺線維症および珪肺各2例, 感染を伴った陳旧性肺結核および気管支拡張症各1例, 細菌性肺炎およびマイコプラズマ肺炎各1例) に, NM441を1回100~200mg, 1日2回, 7~14日間投与し, 臨床効果の検討を行った結果, 有効率は88.2%であった。細菌学的効果は菌が検出された9例のうち, 8例が「消失」, 1例が「部分消失」であった。副作用および臨床検査値異常は認められなかった。以上より, 本剤の優れた有効性および安全性が確認された。

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