日本化学療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-5886
Print ISSN : 1340-7007
ISSN-L : 1340-7007
淋菌性および非淋菌性尿道炎に対するgatifloxadnの臨床効果
河田 幸道他
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 47 巻 11 号 p. 786-793

詳細
抄録

8位メトキシ基を特徴とする新しいフルオロキノロン系抗菌薬gatinoxacin (GFLX) の男子尿道炎に対する臨床的検討を行った。淋菌性尿道炎45例, 淋菌性クラミジア性尿道炎7例, クラミジア性尿道炎75例および非淋菌・非クラミジア性尿道炎44例の計171例を対象として, GFLX 1回200mgを1日2回, 淋菌性尿道炎には3~7日間, 非淋菌性尿道炎には7~14日間投薬し, UTI薬効評価基準 (第3版) 追補にしたがって臨床効果を判定し, 以下の成績を得た。
1. 投薬前に分離された淋菌36株に対するGFIILxのMlC90は0.063μg/mLであり, ciprofloxacinおよびofloxacinの4~8倍強い抗菌力を示した。
2. 淋菌性尿道炎に対しては3日後において100%(36/36例) の有効率であった。
3. 非淋菌性クラミジア性尿道炎に対しては7日後9790%(32/33例), 14日後100%(35/35例), 非淋菌・非クラミジア性尿道炎に対しては7日後83.3%(25/30例), 14日後100%(20/20例) の有効率であった。
4. 副作用は, 160例中6例 (3.8%) に7件認められた。また, 臨床検査値の異常変動は83例中5例 (6.0%) に6件認められた。いずれも重篤なものではなく臨床上特に問題となるものはなかった。
以上の成績より, 本剤は淋菌およびクラミジアに起因する男子尿道炎の治療において安全で有効性の高い薬剤と考えられた。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事
feedback
Top