日本化学療法学会雑誌
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Telithromycinのマウス, ラットおよびイヌを用いた単回投与毒性試験
重栖 幹夫D Catez上田 隆弘
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2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 100-102

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抄録

Telithromycin (TEL) はフランスルセルユクラフ社 (現: フランス, アベンティスファーマ社) で開発されたケトライド系の新規抗生物質である。マウス, ラットおよびイヌを用い, 経目投与 (p.o.) または静脈内投与 (i. v.) による単回投与毒性試験を実施した, マウスのLD50値はp. o.で雄約1,500mg/kg, 雌1,000~1,500mg/kg, i.v.で雄53mg/kg, 雌49mg/kgであった。一般状態の変化としてp. o.で緊張性低下, 振戦がみられ, i.v.で頻呼吸, 痙攣, 傾眠, 振戦がみられ, 死亡例の肺にうっ血が観察された。ラットのLD50値はP.o.で雄雌とも2,000mg/kg以上, i.v.で雄約70mg/kg, 雌81mg/kgであり, 上一般状態の変化はp. o.で観察されず, i. v.で呼吸困難, 跳躍および痙攣がみられ, 死亡例の肺にうっ血が観察された。ビーグル犬のp. o.におけるLD50値は, 2,000mg/kg以上であり, 一般状態の変化として嘔吐, 下痢, 便の変色がみられた。投与後1日目の血液生化学的検査において, 2,000mg/kg群の雄の1例でalanine aminotransferase (ALAT) の高値が認められたが, 7日目には正常に復していた。その他, 体重, 体温, 心電図, 血液学的検査および剖検においてなんら異常所見は認められなかった。

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