日本化学療法学会雑誌
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市中肺炎に対するlevofioxa Cinを対照薬としたBAY12-8039 (mo Xtfioxacin) 第III相二重盲検比較試験
小林 宏行青木 信樹二木 芳人渡辺 彰河合 伸小田切 繁樹河野 茂山口 惠三斎藤 厚
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2005 年 53 巻 Supplement3 号 p. 27-46

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抄録

新規のニューキノロン系合成抗菌薬であるBAY 12-8039 (moxifloxacin: MFLX) の市中肺炎に対する有効性および安全性を検討する目的で, levofloxacin (LVFX) を対照薬として無作為化二重盲検群間比較試験を実施した。
MFLXは1回400mgの1日1回 (MFLX群), LVFXは1回100mgの1日3回 (LVFX群) とし, いずれも10日間経口投与した。有効性解析対象例246例に対する総合臨床効果の有効率は, MFLX群94.0%(110/117例), LVFX群94.6%(122/129例) であり, MFLX群のLVFX群に対する総合臨床効果の非劣性が検証された。細菌学的評価可能例86例における菌消失率は, MFLX群92.3%(36/39例), LVFX群82.6%(38/46例) であった。原因菌別にみた総合細菌学的効果における菌消失率は, MFLX群92.7%(38/41株), LVFX群84.3%(43/51株) であった。また, 安全性解析対象例302例の副作用発現率は, MFLX群16.8%(25/149例), LVFX群11.1%(17/153例) であった。
以上の成績より, MFLX1回400mg1日1回10日間投与は, 市中肺炎の治療に対して, 高い臨床的有用性が期待できるものと考えられた。

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