日本化学療法学会雑誌
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Garenoxacinのカニクイザルにおける反復経口投与毒性試験
木澤 和夫福本 博之三善 隆広角崎 英志藤堂 洋三
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2007 年 55 巻 Supplement1 号 p. 42-53

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抄録

Garenoxacin mesilate hydrate (GRNX) の10, 30, 100mg/kgを雌雄のカニクイザルに1日1回, 3カ月間連日経口投与し, その毒性を調べるとともに, 30および100mg/kg群については3カ月間の休薬期間を設けて回復性を調べた。その結果, 100mg/kgで投与期間中, 嘔吐および流誕が観察された。これらの症状はおおむね投与直後に発現し, 時間の経過とともに消失した。また, 投与期間終了時の病理組織学的検査では胃底腺の萎縮がみられた。本変化には休薬による回復性が認められた。体重推移, 摂餌量, 眼科学的検査, 心電図検査, 聴覚検査, 尿検査, 血液学的検査および血液生化学的検査でGRNX投与に起因する変化は, いずれの用量においても認められなかった。本試験における無毒性量は30mg/kgであり, その際のGRNXの全身曝露は, Cmaxで11.2~16.9μg/mL, AUCで88.6~159μg・h/mLであった。なお, 30mg/kg以上で口腔粘膜をはじめとする各種器官および組織に赤紫色の着色甲状腺に黒褐色の変色がみられたが, いずれの器官および組織にも着色に関連すると考えられる組織学的な変化は認められず, 血中の甲状腺ホルモン (T3, T4, 遊離T3および遊離T4) 濃度にも異常はみられなかった。また, 着色には休薬による回復性が認められた。

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