Garenoxacin mesilate hydrate (GRNX) のマウス, ラットおよびイヌにおける単回投与毒性試験を, 経口投与および静脈内投与により実施した。
経口投与試験では, マウス, ラットおよびイヌともに, 最高用量である2,000mg/kgで死亡例はみられず, 致死量はいずれの動物においても2,000mg/kgを上回っていた。一般状態の観察において, ラットでは2,000mg/kgで軟便が, イヌでは1,000mg/kg以上で自発運動低下, 嘔吐, 流誕, 体温低下および脈拍数増加, 2,000mg/kgで一過性の体重および摂餌量の減少がみられた。
静脈内投与でのおおよその致死量は, マウスでは, 雄で200~250mg/kg, 雌で250mg/kgであり, ラットでは雌雄ともに250~300mg/kg, 雄性イヌでは200~300mg/kgであった。一般状態の観察において, マウスおよびラットでは, 150mg/kg以上で自発運動低下, 横臥, 腹臥, よろめき歩行, 這い回り, 呼吸数減少, 間代性痙攣, 散瞳, 挙尾あるいは流誕が, また, マウスでは150mg/kg以上で, ラットでは200mg/kg以上で, 一過性の体重減少あるいは増加抑制がみられた。イヌでは, 200mg/kg以上で自発運動低下, 流誕, 潮紅嘔吐, 体温低下, 脈拍数増加ならびに体重および摂餌量の減少が, さらに300mg/kgでは, 頭部の浮腫 (皮下) および強直性痙攣が観察された。ラットおよびイヌの死亡例には, 肺, 肝臓胃または小腸にうっ血がみられた。
以上のように, GRNXのマウス, ラットおよびイヌにおける単回投与毒性試験で観察された毒性変化は, フルオロキノロン系抗菌薬で報告されており, GRNXに特有の変化はみられなかった。
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