日本化学療法学会雑誌
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男子非淋菌性尿道炎を対象としたsitafloxacinの一般臨床試験
河田 幸道松本 哲朗小野寺 昭一賀来 満夫堀 誠治
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2008 年 56 巻 Supplement1 号 p. 130-138

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抄録

経口ニューキノロン系抗菌薬であるsitafloxacin (STFX) の男子非淋菌性尿道炎に対する有効性および安全性を検討した。STFXの用法・用量は1回50mg1日2回7日間経口投与とした。臨床効果はUTI薬効評価基準 (第4版暫定案) 追補に準じて判定した。
総合臨床効果の有効率は, 全体で88.6%(31/35) であり, 投与前に検出された病原体により分類された疾患名別の有効率は, クラミジア性尿道炎で852%(23/27), 非クラミジア性非Mycoplasma genitalium性尿道炎で100%(7/7) であり, M. genitalium性尿道炎の1例は著効であった。病原体別の消失率は, Chlamydia trachomtisで96.0%(24/25), Ureaplasma urealyticumで88.9%(8/9), Ureaplasma parvumで100%(7/7) であり, M. genitaliumは3株中2株が消失した。副作用は27.3%(12/44) に発現し, 主な副作用は下痢であった。副作用の重症度は, いずれも軽度あるいは中等度であった。
以上の成績より, STFXは非淋菌性尿道炎の治療に有用な薬剤であると考えられた。

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