日本畜産学会報
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一般論文
ヒツジにおける乾燥コーヒー抽出残渣添加が飼料の嗜好性,消化率,第一胃内性状および反芻時間に及ぼす影響
鈴木 剛堀口 健一高橋 敏能萱場 猛夫
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2003 年 74 巻 2 号 p. 195-202

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抄録

乾燥コーヒー抽出残渣(Dried Coffee Grounds : DCG)を反芻家畜用飼料として開発するために以下の試験を行った.3頭のヒツジを供試して,DCGを添加して給与する二瓶選択法を応用した嗜好試験を行い,添加量と偏向率からDCGの嗜好性について評価した.さらに,5頭のヒツジに対し,チモシー乾草2 : 配合飼料8を混合した飼料のうち,乾草の0,25,50,75および100%をDCGで代替した5種の飼料を与え,5×5のラテン方格法により消化試験を行った.GoatcherとChurch(1970a, b)による,DCGの嗜好の下弁別閾値は6.54%と推定された.DCGの配合量の増加に従って,粗タンパク質,可溶無窒素物および粗繊維消化率が低下した.DCGをヒツジに給与することにより,第一胃内液の酢酸/プロピオン酸比は低下する傾向であった.また,DCG給与により反芻時間が有意に短縮した.以上の結果,反芻家畜の飼料へDCGを5%給与することは実用可能であると考えられた.

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© 2003 公益社団法人 日本畜産学会
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