日本畜産学会報
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一般論文
ルーメンバクテリア,Butyrivibrio fibrisolvensの低pH耐性
大河原 壮古谷 英樹浅沼 成人日野 常男
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2004 年 75 巻 3 号 p. 387-393

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抄録

Butyrivibrio fibrisolvensの低pH耐性について調べた.B. fibrisolvensの5菌株を供試して増殖可能最低pHを調べた結果,菌株によってかなり異なることが判明した(pH 5.2∼6.0).H-ATPaseの比活性(菌体あたりの酵素量)を測定した結果,低pHに強い菌株は比活性が高く,細胞外pH(pHe)の低下に応答して比活性を増加させる能力が高かった.また,概して乳酸生成能の高い菌株の方が低pH耐性が高かった.一方,菌株によって細胞膜リン脂質の組成および細胞膜リン脂質中の脂肪酸の組成がかなり違っており,pHeの低下に応答してそれらの組成を変化させることにより膜の性質を変化させるような調節をある程度行うと考えられる菌株もあったが,どの菌株もその能力はあまり高くないようであった.これらの結果から,B. fibrisolvensの低pH耐性は主にH-ATPaseによって左右されると考えられた.しかし51255株の場合は,かなり低pHに耐性であったにもかかわらず,H-ATPaseの比活性が低かったので,別の機構で低pH耐性をもつ可能性がある.

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© 2004 公益社団法人 日本畜産学会
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