日本畜産学会報
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一般論文
分娩後乳牛の繁殖性と生産性の関係
坂口 実
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2008 年 79 巻 3 号 p. 353-359

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抄録

乳牛の繁殖性に関する問題に対処してゆく際の参考とするため,分娩後の繁殖性と生産性との関係を,1実験牛群について調査した.50頭のホルスタイン種乳牛について,分娩後の初回排卵・発情・授精日および空胎日数を記録し,乳量,ボディーコンディションスコアー(BCS)および乳成分との相関を求めた.この結果,初回排卵・発情・授精時期を推測する指標としては乳量の方がBCSよりも優れていた.また,305日乳量(t)から平均的な初回排卵・発情日を簡便に推定でき,排卵あるいは発情同期化処置の開始時期の目安となると考えられた.BCSについては,最低日と初回排卵日との間および最大減少幅と初回発情日との間に有意な相関を認めた.分娩後1ヵ月の乳タンパク質率は初回授精日を予測する指標となる可能性があり,分娩後4ヵ月の乳脂肪率あるいは乳脂肪率と乳タンパク質との比は空胎日数を反映していることが示唆された.

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