日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
Print ISSN : 1346-907X
ISSN-L : 1880-8255
一般論文(原著)
乳牛における分娩前のルーメンフィルスコアの変動と分娩前後の栄養代謝状態および分娩後の疾病発生と繁殖機能回復との関係
近藤 萌里長谷川 類加藤 葉月福嶋 知賀子川島 千帆
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 90 巻 4 号 p. 295-305

詳細
抄録

乾乳牛において,日間変動の有無を含めたルーメンフィルスコア(RFS)と分娩前後の栄養代謝状態,分娩後の疾病発生や乳量,繁殖機能回復との関係をホルスタイン種経産牛35頭を用いて調査した.分娩前3-4週のRFSが3.5以上で一定(HM, 6頭)と変動あり(HC, 9頭),3.0以下で一定(LM, 5頭)と変動あり(LC, 15頭)の4群に分けた.血中代謝物濃度では,LM群はHM群より分娩後の低グルコース(P=0.05)や高β-ヒドロキシ酪酸(P<0.05)を示し,LM群の2頭は試験期間中に排卵しなかった.HC群はHM群より分娩後の低アルブミン(P<0.05)を示し,LC群はLM群より分娩後の疾病発症頭数が多く(LM2頭,LC10頭),低乳量だった(P<0.1).以上より,RFSの低値や日間変動を示す乾乳牛はエネルギー状態が低く,分娩後の疾病発生や乳量低下,卵巣機能の回復遅延につながる可能性が示された.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 日本畜産学会
次の記事
feedback
Top