日本畜産学会報
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一般論文(原著)
飼料に噴霧するハバネロ抽出物濃度がニホンジカ(Cervus nippon)の摂食行動に及ぼす影響
椎葉 湧一朗竹田 謙一松島 憲一
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2021 年 92 巻 2 号 p. 199-204

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抄録

カプサイシンを含有した忌避剤がシカ食害対策の一つとして使用されているが,その含有濃度はシカ科亜種内で異なる.本研究では,カプサイシンを含むハバネロ抽出物濃度量がニホンジカの摂食行動に及ぼす影響を調査した.飼育成雌ジカ4頭を供試し,ラテン方格法により固形飼料300gに含有濃度が異なるハバネロ抽出物(対照区0%,0.062%,0.62%,6.2%)を8mL噴霧し,シカの摂食行動を調べた.その結果,0.62%区,6.2%区では対照区,0.062%区に比べて摂食量が有意に少なかった(P<0.05).また,それらの差は実験開始3日目までは同じであったが,4日目において,対照区,0.062%区と0.62%区間で有意な差は認められなかった.舌舐め行動は他処理区に比べて,6.2%区が最も多くなった(P<0.05).以上より,本研究で用いたハバネロ抽出物は0.62%以上の濃度でシカの摂食行動を抑制することが明らかとなったが,4日以上提示した場合,その効果に慣れが生じる可能性が示唆された.

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