日本畜産学会報
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山羊乳の結合水含量並に其の消長に関する研究
長沢 太郎棚橋 保
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1952 年 23 巻 2 号 p. 37-40

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抄録

蔗糖に依る氷点降下法に依りザーネン純粹種,同雑種,及びトッゲンブルグ種を含む18頭の個乳及び混合乳の結合水含量の範囲及び消長に就いて実験したが其の結果を要約すれば次の如くである。
(1) 個乳の結合水含量の範囲は2.28~5.18%其の平均値は3.08±0.10%である。又混合乳の夫は2.45~4.07%其の平均値は3.19±0.19%にして個乳及び混合乳の全平均値は3.19±0.09%である。
(2) 山羊乳個乳の結氷点の最高は-0.546°C,最低は-0.590°C其の平均値は-0.573±0.001°Cにして混合乳の範囲は-0.558°C~-0.574°C其の平均値は-0.564±0.001°Cである。尚個乳及び混合乳の全平均値を示すと-0.571±0.001°Cである。
(3) 山羊乳中の各成分に依る結含水含量の割合は次の如くである。即ちカゼイン45.31%,アルブミン30.20%,脂肪18.37%,及び残余6.12%である。
(4) 加熱に依つて結合水は明らかに減少するものにして63°C30分の低温殺菌では約10~30%,又1分間煮沸すれば約50%減少する。
(5) 63°C30分又は1分間の煮沸は山羊乳の結氷点に何等の影響を及ぼさない。
擱筆するに当り熱心に協力せられた研究生岡田増夫氏に深謝する。

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