日本畜産学会報
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役用家畜の勞役生理,特にSteady stateに関する比較研究
I 褐毛和牛の場合
岡本 正幹大坪 孝雄石神 信男
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1954 年 25 巻 2-4 号 p. 163-167

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抄録
標準体型に近い褐毛和種成牝牛3頭を材料として,体重の12%程度の平均抵抗を有する橇を曳かせ,2時間の労役を課し,その間に於ける生理的性質の変化を追及したところ,次の結果を得た。
1) 体温及び呼吸数は労役の経過に伴つて増加する。
2) 脈搏は労役開姶後30分位までは増加するが,その後は増加しない。
3) 血乳酸及び血糖も労役開始後30分位までは増加し,その後は増加しない-尤も統計学的有意性は稍々不充分である。
4) 赤血球沈降速度は1時間以上に亘る労役の際には徐々に増加する傾向があるが,統計学的には尚不確実である。
5) 血色素⋅血水分及び血粘度の変化には一定の傾向を見出すに至らなかつた。
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