1964 年 35 巻 3 号 p. 147-152
1. 山羊,緬羊にラジノクローバ,クリムソンクローバーなどのまめ科牧草の塩酸アセトン抽出液を投与した結果,これら動物の野乾草食下量が増加するのが認められた.
2. 山羊,緬羊にこれら牧草の抽出液を投与した結果,投与期間における第一胃内揮発性脂肪酸(VFA)の生成量は,無投与期間におけるものよりも多いことが認められた.
3. 同じ動物にこれらの抽出液を投与した結果,第一胃内容物中の粗繊維含量が減少し,抽出液の投与による粗繊維の消化が促進されるのが認められた.
4. これらの抽出液を投与した動物の第一胃内容液中の細菌体蛋白質量は,無投与の場合と比較して特に相違は認められなかつた.