日本畜産学会報
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ファブリシュウス嚢をめぐる諸問題
佐藤 孝二
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1971 年 42 巻 4 号 p. 153-161

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抄録

ファブリシュウス嚢は,将来,抗体産生に与えるリンパ球を生成し,末梢リンパ組織に共給する器官である.BFはその発達に,下垂体-副腎系,生殖腺からの影響をうける.胸腺との関係についても記した.マウスでは.免疫機構における,胸線型,骨髄型,リンパ結節型のリンパ球3者の協調作用が主張されている(MILLER 1969).BFと骨髄,この関係は,当然探求されるべき命題であろう.
その他,現在その意義は不明であるが,BFに関していくつかの事像が知られている.BFを摘出すると,血清トランスフエリンバンドが増強し45),脾臓蛋自質成分の中,3バンドが欠損する144)ことが,Disc泳動法により明らかにされた.また,甲状腺の131Iとりこみが低下する101).BFはsteroidのほか2成分70),Anaphylactoidtoxin113)を含有し,ヒスタミン含量が高いとも聞く.以上,いずれも今後の報告がまたれよう.

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