日本畜産学会報
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ヤギ精子の呼吸解糖および運動におよぼす各種基質添加の影響について
福原 利一西川 義正
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1973 年 44 巻 5 号 p. 271-274

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抄録

ワールブルグ検圧法によって,37°Cにおける射出ヤギ精子の呼吸,解糖および運動におよぼす各種基質添加の影響について検討した結果,つぎのような知見をえた.1. ヤギ精子の呼吸は,焦性ブドウ酸,酢酸および乳酸の添加によって著しく促進され,精子の運動も活発に維持された.また六炭糖のグルコース,フラクトースおよびマンノースの添加によっても呼吸は著しく促進され,精子活力もよく維持された.マンノースの添加によって,精子の呼吸は影響をうけなかったが,精子活力はよく維持された.クエン酸,フマール酸,リソゴ酸,コハク酸,α-ケトグルタール酸,ガラクトース,キシロース,リボース,ラクトースおよびシュークロースの添加は,ヤギ精子の呼吸および運動にほとんど影響を与えなかった.2. ヤギ精子は,好気条件下でグルコース,フラクトースおよびマンノースをよく分解して乳酸を生成するが,その他の糖はほとんど分解しなかった.また嫌気条件下でも,ヤギ精子はこれら3つの糖をよく分解利用して,運動を活発に維持した

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